幼少期から、大きな怪我や病気をした事が無く、風邪で熱を出す事もほとんど無く、中学高校は無欠席と、とにかく元気が取り柄な人間でした。そのおかげで健康には自信があり、社会人になってからも、元気があれば何だって出来ると、新しい事にもどんどん挑戦していました。仕事を終えてから同期と合流し、深夜まで遊び、また翌日元気に働くという事もよくありました。今思えば、自分のエネルギーの限界を知らないと言うのはとても恐ろしい事です。後に、そんな自分の体への過信から大きな落とし穴に落ちてしまいます。
不整脈がわかり家族に勧められて心臓外科に通い始めたのは、昇進がきっかけでした。もちろん、頑張れば何とかなると、ブレーキ無しの状態の私はますます意欲的に働きました。これまでに無かった責任、重圧、上司と部下の板挟みの中、私はどんどん仕事を抱え込み、通勤時間を含めると早朝から深夜まで働いているのに追いつかない業務、ついには休日も仕事の事が頭から離れなくなり、最終的には職場で立ち上がれなくなってしまいました。しばらく休職する事になり、たくさんの業務をそのままにした状態で休む事が辛くてたまりませんでした。しかし、体が思うように動かず、心と体が一致しない状態ではどうする事も出来ません。
元気だけが取り柄だと思っていた自分の限界を嫌と言うほど思い知らされ、それを機に、健康に気をつけるようになりました。まず、生活のリズムをなるべく崩さないようにする事を心がけました。朝、起きたらまずカーテンを開けて日光を浴びる事。三食きちんと食事を取る事。昼間、眠くなっても短時間うとうとする程度の仮眠に留める事。夜、日付が変わらないうちに就寝する事。これらは、後に結婚し、子育てをするようになってからもずっと習慣にしています。加えてヨガやエクササイズの習い事に挑戦し、筋力や柔軟性も維持するようにしています。かつての私は疲れを感じないように生きていましたが、今では体からの疲労のサインを敏感に感じ取れるようになり、その都度きちんと対処するようにしています。